アサリなどの貝類の中に入っている小さなカニは、寄生虫の一種ピンノです。
寄生虫といっても、アサリや人体に悪影響は与えないので、心配する必要はありません。
食べることもできますが、ちゃんと火を通した方が安全です。
また、小さいカニは、自然に近い環境を用意することができれば、飼うことができます。
アサリの中にカニが入ってるのは大丈夫
たまにアサリの味噌汁を作って食べようとすると、小さなカニが入っていることありますよね。
アサリの中のカニは、寄生しているだけで、アサリや人体に悪影響は及ぼしません。
小さいカニが入っていても、問題なくアサリを食べることは可能です。
ただし、小さいカニのせいで、アサリの身がやせ細っている可能性はあります。
小さいカニの正体は寄生虫(寄生蟹)
小さいカニの正体はピンノと呼ばれる、カクレガニの一種で寄生蟹(寄生虫)です。
ピンノとは、属名ピンノテレスを略した名です。
驚いたことに、見た目はちゃんとハサミを持ったカニのように見えますが、カニの仲間であって、れっきとした寄生虫の一種なのです。
アサリよりもずっと小さいですし、食べられたのかなと思いますけど、カクレガニのほうが寄生しているとは驚きですよね。
二枚貝の中に寄生しているピンノには、オオシロピンノ・カギヅメピンノ・クロピンノ・シロピンノなどの種類がいます。
因みに、ピンノとよばれる小さいカニですが、カニの赤ちゃんではなく、成体です。
私も、貝の塩抜きの手伝いをしていた時に、小さいカニを見たことがありますが、白っぽくて本当に小さいので今まで赤ちゃんカニだと思っていました。
見つけた小さいカニはこれ以上大きくならないのですね。
ピンノの生態
アサリのエサを横取りする
二枚貝やホヤなどに入り込んで寄生的な生活をすることが多いです。
アサリの身を食べることはないですが、狭い空間に潜むため、アサリの身は栄養分がとられてしまいます。
貝が食べようとしたエサを、ピンノが横取りしてしまうんですね。
アサリの肉がやせてしまうことから「身入りが悪い」と嫌われてしまうこともあります。
小さくて、可愛らしい見た目ですが、なかなか厄介なことをする存在ですよね。
ピンノの寄生率
せっかくなら、身が大きい貝を食べたいですよね。
いったいどれくらいアサリなどの貝類に寄生しているのかというと、寄生率は80%となっております。
かなり高い確率であることがわかりました。
オスとメスで行動が違う
ピンノの生態の面白いところは、性別によって行動が異なるところです。
オスの数はメスより少ないです。
メスは一度貝の中に寄生すると、外に出ることはなく、一生アサリの中で過ごすことになります。
オスはというと、夏の時期はメスと共に貝の中で過ごしますが、そのほかの時期は出たり入ったりと自由に動き回ります。
私たち人間にとっては、一生を狭いところで過ごすなんてことは考えられませんね。
ピンノは食べられる?
寄生虫というと、見た目はもちろんですが、食べたら体内に寄生されて変な病気になるなど、嫌なイメージしかありません。
ただ、人体に悪影響を及ぼす寄生虫はほんの一部にすぎないんですね。
ピンノが寄生虫と聞くと、ちょっと戸惑いますよね。
でも心配する必要はありません。なんと、ピンノに関しては食べても問題はないと言われています。
ピンノには、毒性がありません。
間違えて食べてしまったとしても貝類などと一緒に火を通しているのであれば大丈夫です。
ただし、甲殻類のアレルギーのある人は気をつけてください。
生きてるのは飼うとどうなる?
とても小さくて可愛らしいピンノですが、つい自分の手で飼いたいと思ったことはありませんか。
調べてみると、飼育してもすぐに死んでしまうようです。
元々、自然界で生きている生き物ですので、飼育するには自然界と同じような環境を作る必要があります。
先ほど述べた通り、ピンノは貝類の中で過ごします。
そのため、ピンノを飼う場合には、生きた貝も一緒に飼う方が理想の環境に近づきます。
メスの場合は特にそうですね。
他にも、砂泥や貝のための栄養素も必要になってきます。
生きた貝も飼うことになるので大変ですが、数ヶ月は飼育している例もあります。
まとめ
小さいカニの正体は、ピンノとよばれるカクレガニの仲間であることがわかりました。
寄生虫ではありますが、毒性はないということなのでこれからは安心して食べられますね。
ただ、ピンノが入っているということは、本来貝が必要とする栄養分をピンノが横取りしているということなので、身が小さくなってしまいがちなのが残念なところではあります。
小さくて可愛らしい見た目から、小さいお子様ですと興味津々で飼いたいと思うかもしれません。
飼うには、少々根気強くお世話をする必要がありますが、生き物ですから当然です。
命の尊さがわかるかと思います。ぜひ、興味のある人は試してみてください。潮干狩りがますます楽しくなるはずです。
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